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10・2交流会 報告

10月2日、東京新橋で、東京中部ユニオン、東中部労組交流センターの主催で、集会を開催しました。

今年7月11日、中部地域に、全国協の方針でたたかう東京中部ユニオンを結成しました。動労総連合・東京の結成のためにも、東京駅、秋葉原などの駅で働くJRの下請け・非正規労働者や地域の仲間のたたかいの軸になりたいという強い思いで結成しました。 今回の集会は、そのスタートを切る集会でもありました。

集会の最初に、9月の国会闘争のビデオを上映、国会前に集まった息をのむほどの人々の数、あふれるような解放感と熱気が胸によみがえりました。

次に、直前の動労千葉の定期大会で新書記長に就任したばかりの川崎昌浩さんが、この間のたたかいと今後の課題について気迫をこめて話されました。

1047名闘争の最高裁決定について、解雇撤回のたたかいを新たに開始するという動労千葉の鮮明な方針と決意を明らかにした上で、下記のように話されました。

あと数年のうちに国鉄採用の社員が大量に退職するという問題は、民営化の破綻点だが、JRはこれを逆手にとって、外注化を一気に進めようとしており、外注化とのたたかいが決定的に重要である。外注化とのたたかいでは、組合員が外注・下請会社のCTS(千葉鉄道サービス)に強制出向されて初めて外注化会社の労働者の労働現場の現実を知り、正規も非正規も同じ職場の中で働く仲間である実感をつかむことができたこと、CTSの仲間が動労千葉に加入してくれたことは非常に重要な意義を持っている。正規・非正規が一体でたたかう外注化との闘いは、他の労働運動ではできない闘いであることを話されました。

さらに、鉄道会社は、戦時に協力が義務づけられている「指定機関」であるため、貨物に兵器を積み込む訓練が既に開始されているという衝撃的な報告もあり、労働組合こそが戦争をとめることのできる存在であることを強調されました。

次に、東京のJR職場で働く国労の吉野さんが発言に立ち、「東京にも動労総連合が絶対に必要だ」と力強く発言され、JRの下請け職場の厳しい仕事内容や労働条件の劣悪さを指摘、同時に高い誇りを持って仕事をしている状況を報告されました。

主催者からのアピールは、中部ユニオン委員長から、安倍への激しい怒りを込めて提起されました。

地域でたたかう青年労働者は、「11月集会には、1万人と言わず、国会前に集まった人たちは全部参加してもらいましょう!」と呼びかけ、最後に郵政労働者のまとめ、司会の団結ガンバロウで締めくくりました。

参加した失業中の労働者は、この集会のあと、中部ユニオンに加入、11月集会にも参加すると明るく語ってくれました。たたかいを始動したばかりの中部ユニオンは、もっと仲間を増やため、奮闘します!

◎はじめに
忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。
今日、この労働者交流会を持つ意味を、私たちは次のように考えています。
現在、多くの労働者が、特に派遣や契約社員、パートなど非正規労働者が、生きていくことすら精一杯の状況に置かれています。
この状況の中で、7~9月、国会前は、安倍政権が強行する戦争法案に対して、何度も十数万の人々で埋め尽くされ、労働者民衆はかつてない規模で激しい怒りをたたきつけました。
しかし安倍政権は、9月19日未明、労働者民衆の渦巻く怒りの中で、安保関法案を強行成立させたのです。
このような状況は何を意味しているのか?私たちの展望は何だろうか?どうしたらこの現状を変えていけるのか?そのことをいっしょに考え共有したい、そのような思いで今日の労働者交流会を開催することにしました。
職場、職種、国境、失業中、退職者などの違いを超えて労働者階級としてひとつになれれば、私たちにはこの社会を変える力があると確信しています。

◎労働者民衆の怒りが国会前を埋め尽くした!
7月~9月の国会前は、この法案の通過を絶対に許すわけにはいかないという強い気持ちを持つ広範な年代の十数万の人々で、何度も埋め尽くされました。
連日の激しい雨にもかかわらず、ずぶ濡れになりながらも、何時間も怒りの声をあげ続けたのです。原発への怒り、秘密保護法反対でも多くの人々が国会前で怒りをたたきつけてきましたが、今回の規模はそれをはるかに上回るものでした。 国会に突入しても止めなければ!逮捕もありうる、と覚悟して国会前に駆けつけた人たちも多数いたのです。
学生たちは最前列で、警察と激しくぶつかりながら闘い続け、9月16日には学生含む13人の逮捕者を出しながらも一歩もひるむことなく闘い続け、弾圧救援カンパに多額のカンパが寄せられるなど、多くの人々の熱い共感が寄せられました。
すべての新聞の世論調査でも、今国会で安保法案を成立させることに反対の割合は6割を超えていました。
この労働者民衆の怒りと行動は、次はどうするのかを求めています。怒りは継続しており、戦争をとめるには、安倍を倒すためには何が必要かを真剣に模索しているのです。
この国会闘争の過程で、評論家や、マスコミに繰り返し取り上げられた学生団体のシールズは、最後の過程で「次は選挙」と主張していました。しかし、私たちの社会と政治は議員が決めるものではまったくありません。労働者自身が職場を動かし、社会を動かす力を持つこと無しに、私たちが望む政治に向かうことはありません。「野党共闘」に期待するものがあるでしょうか? そのひとつ一つの政党は、何をやってきた政党なのか?労働者の立場に立っているのか?まったくNO!と言わざるを得ません。
またシールズの代表は、「バラバラの個人が運動することに意味がある」と主張していましたが、労働者民衆をバラバラに分断して強い力にならないようにしているのは、他でもなく安倍政権や財界の連中です。労働者民衆が分断されたままで、この政治と社会を変革することができるでしょうか? これもまたNO!と言う以外にありません。
戦争をさせない闘いは、分断を打ち破って団結を作り出すことのできる労働自身の組織=労働組合の闘いを抜きにしてはあり得ません。

◎労働者は使い捨ての部品じゃない!
全労働者の約4割が非正規労働者で、その人数は2000万人に上ります。
1か月、3か月、6か月…契約満了という理由でいとも簡単に切り捨てられる、けがや病気を理由に契約を切られ、職場でパワハラや不当な扱いを受けても、契約を切られることを恐れて声も上げられない、そのような耐えがたい状況に置かれた強いストレスでうつ病などに追い込まれて職場をやめざるを得ない、そして失業状態から抜けられなくなってしまう…このような状況が社会を覆い尽くしています。
日本の子どもの6人に1人が貧困状態…この数字は驚くべきものですあり、社会が崩壊していると言えます。ここまで追い込んだのは誰か?!
他でもなく、安倍ら政治家と財界の資本主義、新自由主義の頭目どもに他なりません。
社会を支える大切な仕事を担っている社会の主人公である労働者が、こんなデタラメな扱いを受けていることだけでも我慢がならない事態ですが、安倍政権は、つい先日、派遣法の大改悪を行ない、すべての派遣労働者を上限3年で切り捨てるというとんでもない状況を労働者に強制しているのです。これをかつてないほど拡大しようとしているのです。
安倍と財界は、「2040年までに896自治体が消滅する」と公言し、労働者の生存や社会を維持することすら放棄して、莫大な富を持つ自分たち資本家階級のみが生き延びる政治に突き進んでいるのです。

●安倍と一体のブラック企業JR
その安倍のもっとも強力な「パートナー」であるのがJRです。
JRは、1987年国鉄分割民営化で、労働組合破壊を狙い、安全より利益優先、公共交通を私物化して発足した企業です。動労千葉は、この国策企業と30年近くにわたり、組織をかけ、団結を守り抜いて闘ってきました。「闘いなくして安全なし」このスローガンは、動労千葉の闘いを最もよく表しています。
JRが現在推し進めていることは、鉄道業務の全面外注化です。
鉄道業務は、乗務員以外にも、駅業務、車両の修理・保守業務、車両の清掃、保線など、極めて多くの労働者によって運行されていますが、JRはそれを次々と外注化して下請け会社に移しています。JR関連の下請け会社の数は膨大であり、そこに雇用されている毎月の賃金が13万、14万円という、すさまじい低賃金労働者を膨大に生み出し続けているのです。
そしてJRが先頭に立って、財界が主張する「10割非正規労働者」を推進しようとしています。

●郵政3社の株式上場ふざけるな!
日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険は、11月4日に、株式上場を決定しています。
労働者の非正規化をどんどん進め、賃金をどんどん削減、要員不足で労働者の疲弊は極限に達している中で、行われる株式上場、絶対に許すことができまません。
連合傘下のJP労組は、これと闘うどころか、「労使一体で株式上場を成功させよう」などと主張しているのです。ふざけるな!

◎動労総連合を全国に!闘う労働組合を全国に作ろう!
動労千葉は、13年にわたって外注化を阻止し、今も裁判闘争も含めて闘い抜いています。これは、動労千葉の組合員の生活と権利を守るだけでなく、低賃金労働者を生み出すことそのものを阻止し、利益によって安全が切り捨てられることを阻止する闘いです。
さらに動労千葉は、3年前に強制出向された千葉鉄道サービス(CTS)で、そこに働く仲間とともにたたかい、CTSの労働者が次々に動労千葉に結集するすばらしい状況を作り出しています。
東労組など闘わない労働組合の下で、千葉以外は、すでにメンテナンス業務の外注化が激しく進行していることを見る時、闘う労働組合の存在がどれだけ決定的なのかが非常によくわかります。
動労水戸は、茨城、福島の労働者とともに被ばく労働と、徹底的にたたかい抜いています。動労神奈川では、JR下請けの環境アクセスの労働者が雇い止めをストライキではね返しています。
この間、動労福島、動労総連合・新潟が立ち上げられ、新たな労働者が組合員として結集しています。
たたかう労働組合の存在は決定的です。
私たち中部地域にも、7月あらたに合同労組の東京中部ユニオンが誕生しました。
職場と地域に、「経営者との利害調整=御用労組」ではない、非妥協でたたかう労働組合があれば、職場で起こる経営者の不当な攻撃をはね返すことができます。西部ユニオンの鈴木コンクリート分会の仲間たちは、3ヵ月雇用で20年間の労働というデタラメな労働条件の中で組合をつくり、労働委員会で完全勝利して解雇を撤回させ、職場に復帰して闘い続けています。
地域の中での結集軸としてがんばっていく決意ですので、ぜひ中部ユニオンに入ってください。

◎戦争をさせない力は労働組合と国際連帯
11月労働者集会に集まろう!
9月30日、集団的自衛権の行使容認を柱とする安保関連法案が公布されました。6ヶ月以内(来年3月)に施行されることになります。
安倍はなぜここまで戦争法案の成立を急ぐのか?
ひとことで言うならば、安倍ども政治家とひとにぎりの資本家どもは、自らの存続のために、世界の資源や領土を、戦争という手段に訴えても確保しようとしていること、そしてそうしなければ莫大な利益を維持できないところに追いつめられているからです。
その一握りの資本家の利益のために、労働者民衆を戦争に引きずり込み、国内の労働者も、攻撃する相手の労働者民衆の生命も生活も、社会そのものを破壊しようとしているのです。

戦争を実際にさせないためにはどうすればいいのでしょうか?
国会の前に駆けつけて直接怒りの声をたたきつけることも重要なたたかいですが、労働者が労働現場で戦争への協力を拒否できる力を持つことは、絶対に無くてはならないたたかいです。なぜなら、実際に戦争を担わされるのは労働者だからです。
工場で武器・弾薬を作り、トラック・鉄道で物資を運び、自治体職場で「赤紙」を配布、郵便労働者が郵便物を検閲し、教師がこどもを戦争に送り出す教育をする…すべて労働者がさせられるのです。
安倍や財界は、このことをよく承知しているからこそ、連合傘下の現場組合員たちが戦争反対の声をあげ続けていることにいら立ち、戦争を翼賛し全面協力するUAゼンセンのような労働組合を強力にバックアップして、連合を戦争完全翼賛の組織に変えようと画策しているのです。
もう一つの決定的力は国際連帯です。
資本家どもの利益のために、労働者同士がなぜ戦争で殺し殺されなければならないのか?
世界の労働者が、たたかうべきは「敵国の労働者」ではなく、労働者民衆を戦争に駆り立てる資本家どもと、それとグルの政府であることをはっきり掲げて闘えば戦争なんかできないのです。
11月労働者集会(11/1)には、日本国内の労働者とともに、韓国民主労総の代表が多数参加、トルコ、ドイツ、スイス、アメリカからも労働者組合の仲間たちが来日・参加します。
韓国民主労総は、「ひっくり返そう世の中を!」のスローガンを掲げて、パククネ政権を追いつめるゼネストで闘っています。
11月労働者集会で、世界の労働者との団結を強めよう!
団結の力があれば、ゼネストで戦争をとめ、社会を労働者が動かすことができる!
いっしょに闘っていきましょう!11月1日、正午、日比谷野外音楽堂でお会いしましょう!