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「正社員ゼロ━解雇自由」社会を許すな  11・6労働者集会で反撃を!

「正社員ゼロ━解雇自由」社会を許すな   (日刊動労千葉より転載)

11.6労働者集会に大結集を

「働き方改革」

「働き方改革は安倍内閣の次の3年間の最大のチャレンジだ」。安倍は、2月末に開かれた『一億総活躍社会実現対話』でそう語り、その後、「同一労働同一賃金の実現」「非正規社員と正社員の賃金格差を是正する」「最低賃金を平均千円をめざす」等を掲げた「一億総活躍プラン」が発表された。だが、現実に進められ、実行に移されようとしている「働き方改革」の真実は、耳ざわりのいいイメージとは全く違う、真逆のものだ。かつてヒトラーは、アウシュビッツ強制収容所の門に「自由への道」という標語を掲げたが、安倍がやっているのはこれと全く同じ手法だ。

正社員ゼロ、解雇自由

マスコミは「実効性が問われている」「選挙向けの看板政策だ」と批判しているが、そんなレベルの問題ではない。飾りたてられた宣伝の背後で猛毒が放たれ、労働者の雇用と権利が根こそぎひっくり返されようとしている。その正体は、「正社員ゼロ、解雇自由」社会を生み出すために、労働基準法、労働組合法、労働基本権を解体し、労働組合の根絶を狙う攻撃だ。それはまた、雇用のみならず、社会保障制度、医療制度、教育などすべての公共サービス部門を競争原理の中に突き落として破壊する攻撃である。

幾重にも設置された会議

第二次安倍政権が成立したのは2012年12月26日であったが、首相に就任するやいなや、「民間活力の爆発がキーワード」「そのために阻害要因を徹底的に除去する」と宣言して、これまでの雇用・労働政策の原理的転換を迫る攻撃を開始した。
そのために、年明けを待たずに、経済財政諮問会議、日本経済再生本部、産業競争力会議、規制改革会議等、何層にも重なる会議・会合を設置することが決定された。そこに竹中平蔵など、安倍をとりまく最悪の新自由主義者や国家主義者が集められ、本来なら何の権限もないはずの連中がすべてを決定し、命令していく枠組みが確立されたのである。

もう一つの改憲攻撃

司令塔の役割を果たし、政策決定のプロセスを動かしたのは事務局に集められた経産省官僚であった。雇用労働政策を審議し決定するというのに、厚労省は外され、必要に応じてヒアリングに呼ばれて命令され、追認するだけの存在に貶められた。それはある種の反動的クーデターであった。
厚労省は、「雇用ルールは、条約上、労使間で協議することが求められており、労政審での審議を経ることが必須」と「抵抗」したが一蹴された。こうやって様々な提言や報告書が作成され、閣議決定され、法制化されていったのである。それは、改憲・戦争への突進と一対をなす「もう一つの改憲攻撃」だ。

国鉄分割・民営化以来の攻撃

とくに、雇用問題を最優先課題として取り扱った規制改革会議では、その冒頭から、「この2年程度で、これまでの規制改革に決着をつける意気込みで取り組む。そのためにはロケットスタートが大事」「『何を』やるかよりも『いかに』進めるかが問題だ」(大田議長代理)といった挑戦的な意志統一の下に審議が進められた。こうして、国鉄分割・民営化以来の社会の大転換を狙う攻撃が開始されたのである。

労働者の権利が危機に瀕している

それから3年。労働法―労働者の雇用と権利は、今まさに危機に瀕している。 「私はこれまで何度か『労働法の危機』の語を用いたことがあるが、今日ほど文字どおりの『危機』を実感させる時代はない」(西谷敏・大阪市大名誉教授)「雇用をめぐる立法政策や法解釈を通じて形成された雇用政策や解釈の基盤を、根底から掘り崩してしまおうとする、歴史的転換とさえいいうる」(野田進・九州大学名誉教授)「日本の労働法は、多くの労働者にとって『氷点下』の凍結状態に陥ってしまい、労働と生活は危機的状況に直面している」(脇田滋・龍谷大学教授)。
多くの労働法学者が警鐘を乱打している。だが、最大の問題は、これほど重大な事態が進行しているというのに、労働組合の反撃が全くと言っていいほどないことだ。現場の労働者には、何が起きようとしているのかすら知らされていない。労働運動のこの現状にこそ本当の危機がある。

解雇制限法制の解体

産業競争力会議や規制改革会議では、何が議論され、確認され、そして実行に移されようとしているのか。雇用や労働者の権利に関する従来の「常識」がすべて覆されようとしている。まさに驚くべき歴史的転換、原理的転換が進められている。
最も焦点が当てられたのは、解雇制限法制の問題と「正社員改革」であった。それが、表裏一体の問題として議論されている。
解雇制限法制(解雇権濫用法理)の問題は、これまでも政府や財界が解雇規制緩和を要求し、労働側はそれに反対するという形でずっと攻防の焦点であった。しかし、規制改革会議では、こうした問題の立て方、対立軸そのものを否定し、逆転させる議論が展開された。「解雇が規制されているというのは誤解だった」「労働契約法16条は解雇を規制していない。客観的に合理的な理由を欠く解雇を例外的に権利濫用としているだけ。しかし例外が極大化した。なぜか?(日本の正社員は)職務、勤務地、労働時間が原則無限定だから、社内で配転可能である限り解雇は正当とされないため。つまり、規制の問題ではなくシステムの問題だ」と。
こうして、「職務、勤務地、労働時間が限定された雇用ルールを整備することが最優先課題と位置づけられ、それに「限定正社員」「ジョブ型正社員」という名称が与えられた。そうすれば、「その論理的帰結として、当該職務や勤務地の消失・縮小が解雇の正当な理由になるというだけ」になるというのだ。

最優先課題とされた「正社員改革」

また、「正社員改革」の問題は、「正規・非正規の二分論を超えた多様で柔軟な働き方を促進する」観点からも最重要課題とされた。ここでも、これまで「非正規職問題」という形で、社会的にも法的にも一定の待遇改善や保護が必要だと論じられてきたことが逆転され、「求められているのは正社員改革」だと主張された。「世界的に見て日本の正社員ほど特権的に保護されている存在はない、これを変えなければならない」というのだ。
そして、非正規から正規に移行させるという美名のもとに、「限定正社員(ジョブ型正社員)」を「社会通念上相当な働き方として広く普及させること」、さらには「その際、処遇を変えないという考え方がしっかりと根底にある」ことが基本方針として確認されている。つまり、非正規職と全く同じ超低賃金の定期昇給も無い「正社員」を、「新たな働き方」と称して生み出すことが確認されたのである。

5年ルールを悪用した雇用破壊

しかも、規制改革会議での議論を追ってみると、労働契約法の「5年ルール(無期雇用転換申込権)」を使えば、限定正社員を大量に生み出すことができると気づき、異様に熱を帯びた議論が展開されている。
当初は「5年ルールなど、民主党政権時代に実施された法改正であり認めない。適用除外の『雇用特区』を作る」と主張されていたことが、厚労省の抵抗などでそれが一旦挫折した時点から変化し、議論の方向性が全く変わっていく。そして、5年ルールの活用(悪用)こそ「正社員改革」の最も有効な手段だという主張に行き着く。「『正社員改革』というだけでなく、『5年で一旦全員解雇・選別再雇用』という国鉄分割・民営化型の攻撃を社会全体に拡張することができる! それこそわれわれがやりたかったことだ!」、規制改革会議の委員たちはそう考えたに違いない。

それは言うまでもなく脱法行為、違法行為だ。しかしそれが、今まさにCTSや郵政で実行に移されようとしているのである。

労働者派遣制度の合理化

第三に、「労働者派遣制度の合理化」と称して、派遣法の抜本的改悪が検討された。具体的には、「常用代替防止」の原則を崩すことに焦点があてられた。実際、昨年9月には、この方針に基づいて労働者派遣法が改悪されている。それは、マスコミが「1985年以来の転換」と報じるほどの大改悪であった。
どういうことか。派遣法は1985年の制定以降何度も改訂を繰り返し、当初は13の専門的業種に限られていた対象業務がどんどん拡大され、ついには製造業も含め原則自由化されるところまで改悪が進んでいた。しかし、「派遣を導入できるのは『一時的・臨時的業務』に限る」「常用雇用を派遣に置き換えることはできない」ということだけは「原則」として維持されてきた。それは当然のことで、そこまで崩してしまえば、この社会の雇用は全部「ハケン」になってしまいかねないからだ。しかも、労基法の根幹のひとつをなすのが「中間搾取の禁止」である。「常用代替防止」の原則を破棄することは、労基法の最後的崩壊を意味するものでもある。
安倍政権はそれを突き崩そうとした。そして、昨年9月の派遣法改悪では、それが強行されたのだ。さらにそれを突破口にして、「民間人材ビジネス」なる奴隷商売を社会に蔓延させ、成長戦略の一つの柱にしようとしているのである。戦後労働法制はまさに歴史的岐路に立ったのだ。

「常用代替防止」破棄のペテン

しかも、その際に掲げられた理由は驚くべきものであった。「『常用代替防止』は、正社員を派遣社員との競争から保護する、諸外国にはない規定であり、対等な立場での競争条件を保障するべきである」というのだ。ここでもこれまでの労働法制の考え方が完全に逆転されてしまっている。規制改革会議は、「常用代替防止は正社員の保護を目的としており、派遣労働者の保護と必ずしも相容れない」と言うが、このような言い方はペテンに他ならない。事の本質が意図的にすり替えられている。正社員であろうが、非正社員であろうが、中間搾取をしてはならないことが労基法の大原則なのだ。「常用代替防止」はそこから発している規定であり、正社員を保護しているわけではない。
こうして、企業の側は、どんな業務にでも、3年毎に人さえ入れ替えれば恒久的に派遣を使い続けることができるようになった。派遣労働者の側から見れば3年毎に首を切られ、使い捨てられていくということだ。

就業規則の万能化

第四に、就業規則を万能化し、その一方的な不利益変更が合法化されようとしている。それは、団体法・社会法としての労働法を解体し、団結権・団体交渉権・団体行動権を否定し、労働者個々人の単なる契約関係にバラバラにしていこうとする攻撃だ。
さらに、前号でも述べたように、「正社員改革」=限定正社員制度の導入とも一体の攻撃である。あらかじめ就業規則に勤務地や職務を限定しておけば、その仕事や職場が無くなったり、縮小したときは、就業規則によって自由に解雇できるようにする。こうした企みは、2007年の労働契約法制定をもってその突破口が開かれていた。労基法から労働契約に関する部分を切り離して労働契約法が制定されたのだ。
産業競争力会議では、就業規則の不利益変更の正当化について、「2007年労働契約法は挫折した」という議論がされている。そして、「労働条件変更を正当化しうる従業員代表法制が必要」「労働条件の不利益変更の効力が裁判が確定しない限り不明というのは望ましくない」と言って、就業規則を万能化し、その一方的変更を合法化しようとしているのだ。
労働移動型への政策転換

彼らは、こうした雇用・労働政策の歴史的転換を、「雇用維持型から労働移動支援型への政策転換」と言っている。終身雇用的な雇用のあり方を最後的に解体して「首切り自由」社会をつくり出そうということだ。
それは抽象的に言っているだけでなくすでに実行に移されている。2013年から15年にかけて、雇用調整助成金は1175億円から193億円に激減する一方、労働移動支援助成金は2億円から349億円に増えている。(図参照)政府の政策が、「雇用を維持した企業にカネを出す」から「首を切った企業にカネを出す」に明確に変わったのである。

雇用破壊の最後の扉が開く

以上のように、安倍政権のもとで進められている攻撃は、労働者の雇用や権利についての考え方を根本的に覆すものであり、労働者への全面戦争を意味するものだ。
産業競争力会議や規制改革会議では、これまで述べてきたこと以外にも、労働時間規制の解体(残業代ゼロ法制定)や解雇金銭解決制度の法制化、職業紹介事業の全面的な民営化等が検討され、さらに、一旦は挫折して中途半端なままになっている「雇用特区」(国家戦略特区)の設置も議論されている。また、「一億総活躍プラン」では、「躊躇なく法改正の準備を進める」と言って、労契法、パートタイム労働法、派遣法の一括改正が強行されようとしている。
とくに、規制改革会議等の議論では、《労働契約法と派遣法によって戦後労働法制をつぶすことができる》ということに全体の意見が収斂されている。改悪労契法施行から5年、改悪派遣法施行から3年を迎える2018年が歴史的な分岐点になろうとしている。「雇用崩壊」への最後の扉が開かれようとしているのだ。

国鉄分割・民営化攻撃の全社会への拡張

起きようとしているのは、国鉄分割・民営化攻撃の全社会化だ。「5年、3年で一旦全員解雇」「『限定正社員』として選別新規採用」という国鉄方式の攻撃が社会全体に拡張されようとしている。こうして、労働者を、名ばかりの正社員、限定正社員という名の非正規職に突き落とそうとしているのだ。それは、国鉄分割・民営化に次ぐ労働運動解体攻撃に他ならない。
CTSが4月から導入しようとした雇用形態改悪攻撃は、この方針を最も忠実に就業規則化しようとしたものだ。全体の9割近くを占める非正規の社員全員に、労契法が施行された2013年を起点として「あなたの雇用期限はあと何年」と通告し、あるいは新規採用者は始めから最長5年の契約で雇用して、5年目に選考試験を実施し、合格した者だけを限定社員として採用する。「採用」という言葉を使っている。無期転換ではなく新規採用。しかも、その際の賃金は時給820円~920円。時給800~900円の「正社員」が生み出される。郵政でも同様の制度が提案され、JP労組が妥結している。郵政の場合は試験ではなく「5年目に勤務査定する」としているが同じことだ。
2波のストライキを構えて4月1日実施は阻止したが、CTSは10月強行を狙っている。闘いはこれからだ。この制度がどれほど激甚に社会のあり方を変えるのか。国鉄という一企業で起きたことでも、日本の労働運動が一旦瓦解するようなことが起きたのだ。それが社会全体に適用されようとしている。

現代の産業報国会をめぐる闘い

化学総連(4万6千名)の離脱問題をめぐって連合が揺らいでいる。その背景にあるのは、安倍政権による労働政策の歴史的転換攻撃だ。
第2次安倍政権は発足当初から一貫して、連合の存立基盤にくさびを打ち込んで揺さぶり、改憲勢力として取り込むことに全力をあげてきた。連合会長との会談を拒否して「官製春闘」に引きずり込んだこと、労政審を形骸化させて連合が労働政策に関与する余地を奪ったこと等は、全部連合の切り崩しを狙ったものであった。また、「同一労働同一賃金」も、全労働者を非正規職並みの賃金に突き落とす攻撃であると同時に、UAゼンセンと手を結んで連合を分断する狙いをもっている。
櫻井よしこが一昨年の11月に産経新聞で「UAゼンセンよ、官公労と決別し、連合を分裂させよ」と言ったのも、明らかに安倍の意志を受けた主張であったし、昨年6月のUAゼンセン・逢見会長と安倍の極秘会談もそうだ。
労働法制解体攻撃と一体で、労働運動の大再編が始まっている。この情勢を階級的労働運動の再生へのチャンスに転化しなければならない。求められているのはこの攻撃に立ち向かう労働運動の変革だ。

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6月5日全国集会へ集まろう! 呼びかけ:国鉄闘争全国運動 

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http://www.doro-chiba.org/z-undou/pdf/201665tabureto.pdf

↑2面の記事から引用

2018年、労働契約法の非正規職の無期雇用転換をめぐって闘いの先端を切り開いた動労千葉。動労千葉の渾身の決起に続こう!

〝12万円では生活できない〟C T S本社抗議

山田 護(動労千葉幕張支部長)

JR千葉鉄道サービス(CTS)の進める就業規則の改悪は完全な違法・脱法行為です。
社長は「事業所のみなさんが心血を注いで仕事をして会社は成り立っております」と言っている。だったら賃金も上げろ。5年で雇い止めなんてやるんじゃない。
自分たちはJRからの天下りで専務や部長になっている。そんなのが10人も20人もいる。そういう金があるならCTSで働く人たちに賃金を払え。
CTSの社内報に「人権とは人間が人間らしく幸せに生きていくための権利」と書いてある。
手取り12万円の給料で生活ができるか。重役たちは1千万円以上もらってるんでしょうけど、会社を支えている人たちは生きていくので精一杯なんですよ。
それを5年で雇い止めとか手当削減など許されていいわけがありません。絶対に就業規則改悪を粉砕しましょう。

 

 

【6・5集会への呼びかけ】

国鉄闘争旗を守り続けた意味が問われる時が来た

田中康宏(動労千葉委員長)

2月の国鉄集会で国鉄闘争の継続について二つの観点から訴えました。

 一つは最高裁判決で「JRの法的責任」が明確になった。これを徹底的に攻めようと。もう一つは、72号_ページ_1戦争法制定と派遣法改悪で国鉄分割・民営化以来の社会の大転換攻撃が始まっている。これに立ち向かう国鉄闘争。この二つを訴えました。

今春闘と国際連帯で2番目の問題でつかむところがあった。問題は、これと対決する労働運動の芽ができるのかどうか。
二つ示唆を受けた。CTSで雇用形態の抜本的な変更を内容とする就業規則の改悪。もう一つは、韓国・民主労総が、労働法制の抜本的改悪との一年間にわた る大変な困難を乗り越えて社会全体の支持を受け、パククネ政権の与党セヌリ党の惨敗まで行った。 日本の現実、時代認識をもう一回見据え直す必要がある。 つくづくそう思いました。
動労千葉は、春闘で3月11日と17日に2波のストライキに立ちました。主な闘いの課題は3つです。一つは、JR・CTSを貫いく組織拡大。2番目は大 量退職を逆手に取った組織破壊攻撃、外注化との対決。三つ目は、CTSにおける労働契約法の5年ルールを逆手に取った雇用形態の改悪との闘い。
3番目の課題が最大の課題となりました。提案された内容は、有期雇用で働くCTSの労働者全員に雇用上限を5年と通告し、選考試験を実施して合格した者 だけを限定社員という名目で無期雇用にする。 さらに現在正社員の者も60歳に達した時点で限定社員にして時給制にする。時給換算で田舎では820円、千 葉市周辺でも920円。千葉の最低賃金は817円です。時給8~900円の無期雇用労働者が生み出される。大変な雇用の在り方の転換です。
この攻撃が生み出すものはなにか。労働契約法を使った国鉄分割・民営化型攻撃の全社会への拡大です。この焦点が2018年です。改悪派遣法から3年も同じく18年。ここが雇用崩壊の歴史的分岐点になる。
これとの闘いで安倍政権の本質をつかむことができた。
3月17日のストライキは、就業規則改悪阻止を掲げてJR本体の45人がストに入った。正規の本体の労働者が立ち上がった時にはじめて非正規の仲間との連帯ができる。それで15人のCTSの仲間が加入してくれた。
この闘いで組合員の意思統一ができたことが決定的です。これで組織拡大の展望が切り開かれました。
世界中の労働法改悪反対ゼネストがこの事態に対する重要な示唆を与えてくれた。これが新自由主義崩壊過程での彼らの統一した攻撃なんじゃないか。

 安倍政権の攻撃の2つの柱

そう考えて、安倍政権の「戦後レジームからの脱却」攻撃の本質は何かをもう一度考えた。
二つの柱だと思います。一つは改憲・戦争への突進。これはマスコミや教育に対する攻撃などもすべて含む。もう一方は戦後労働法制の根底からの解体、雇 用・労働政策の歴史的転換。これがもう一方の柱。 2007年の労働契約法成立過程の時点で、戦後労働法制の解体を第一次安倍政権のころから敵の側が見て いたことに気付きました。民主党政権になって一旦は挫折する過程があって労働政策の原理的転換として第2次安倍政権が登場している。
そのドリルが産業競争力会議と規制改革会議です。発想がまったく変わっている。労働法学者の評価も「憲法を基礎として成り立つ労働法を根底から揺さぶる 攻撃」「労働法の基本原則に対する反旗」「雇用政策の解釈の基盤を根底から掘り崩しす歴史的転換」   議論は錯綜していますが、突き詰めると「総非正規 職化」ではなく「正社員ゼロ化」。「雇用の維持」から「労働力移動」になっている。「解雇規制」をめぐる議論は「雇用ルールの問題」とされる。物事の発想 が全部ひっくり返った。
そうして、労働契約法を使って限定正社員=ジョブ型正社員の雇用ルールをつくる。それと派遣法から常用代替防止の原則を取り払う。この二つで解雇自由も正規職ゼロ化も基本的に達成できるという議論に収れんされた。それがCTSの就業規則改悪をめぐる攻防だった。
それが国鉄方式、いったん全員解雇・新規採用方式を社会全部に貫徹していく攻撃になっている。国鉄闘争全国運動の果たす役割をもう一度6・5集会で明確にしたいと思います。

日本の労働運動の現状をこうしたことからどう見るのか。この現実に対する労働者の抵抗があまりにも弱い。だけども日本の労働者がダメということではな い。一方で、戦争法で国会を数十万の怒りの声が包囲した。これは日本の階級闘争、労働運動に根差した階級意識の表れ。しかし、もう一方で労働者の未来を奪 う攻撃に対する展望は、国鉄分割・民営化攻撃がいまだに乗り越えられていない。
そう考えると、どんなに小さな芽でも職場からの闘いをつくり、戦争に反対する怒りの声と結合し始めたときに、日本の労働運動の復権がもう一度始まる。そこに国鉄闘争が存在する意味があると思います。
私たちが闘いの旗を守ってきた意味が問われる。今度の参院選挙も、改憲戦争阻止と階級戦争に立ち向かおうとと訴える重要な闘いだと思います。


戦争・改憲―戦後労働法制解体との闘い軸に

鈴木達夫(弁護士)

動労千葉は出向協定を結ばず十数年間、出向を阻止してきた。ところが13年10月1日に就業規則に基づいて強制出向した。
強制出向無効確認訴訟で就業規則でそこまでできるのかが問題になった。JR東日本は結局、就業規則に基づく出向命令権があると言い出した。
労働法の教科書を読んでみると就業規則に基づく出向命令権は出ている。じゃあなんなんだと議論が始まって労働契約法に行き着く。憲法があって労働組合法が あって労働基準法がある。しかし、いま労働司法を目指す人たちが勉強するのは労働契約法です。自分たちの権利の主張の柱を立てられなくなっている。
就業規則は勝手に資本がつくるものです。しかし建前は対等平等の雇用契約だから不利益変更は個別的同意が必要だと一応はなっていた。さらに労働基準法、労働組合法でも労働協約が優先、他の法令に違反する就業規則は無効だ、と。
労働契約法以前の就業規則はそういうものでしかなかった。就業規則は使用者側がつくるものだから、反対意見が述べられても就業規則の効力に影響はない。就業規則とはそういうものでしかなかった。だから個別的同意の必要と労働協約が優先となった。
さかのぼって80年代、分割・民営化のあたりから最高裁で労働担当の裁判官を全国から集めて「裁判官会同」を頻繁に開き「団体法・社会法の労働法制から民法の世界へ」と言い始めた。
労働組合の団結によって労働者の権利が守られていくことを全面的に解体する、そして労働者と使用者の関係を一対一の民法の関係にする攻撃。200年以上か けて全世界の労働者がかちとってきた社会法・団体法としての労働組合法、労働基準法を解体して〈民法的契約の世界〉にする。
それが90年代半ばに形を取り始め、07年に労働契約法が成立する。労働契約法は邪悪な目的を明確に持っている。戦後労働法制を解体する最大の武器が労働契約法。
このとき出された労働法学者の反対声明は「戦後労働法制に死を宣告する契約法になりかねない」と言っています。
労働契約法で決めたのは、就業規則は、不利益変更も個別的同意も労働協約優先も無視している。合理性があればいいと。
就業規則の不利益変更をぶっ飛ばすにはどうしたらいいのか。鈴コンでも就業規則の一方的な改悪で定年制と賃金カットをやってきた。これは闘いでぶっ飛ばしました。逆に言うと、われわれも二つの先例をつくった。力でぶっ飛ばした。
安倍「戦後レジーム脱却」との闘いは、二つの軸が出てきた。改憲・戦争絶対反対と国内の階級戦争―戦後労働法制解体との闘い。この二つの焦点を職場で論議 していくことが大事じゃないか。7月の参院選もこの二つが焦点になる。このふたつが新しい労働者の党をつくろうという中身につながると思います。


動労千葉が呼びかけを

芹澤壽良(高知短期大学名誉教授)

動労千葉は、権利闘争についてはもっとも模範的な闘いを最後までやり抜いた唯一の労働組合だと私は思っています。
最高裁闘争の最後までやり抜いたことは大きな誇りを持ってその立場を強調しながら、労働法制の全面改悪反対の声を今こそ上げなければいけないと思います。
労働法制のこと以上に労働戦線を統一できる課題はない。戦後の経験をみても、労働法制に手がつけられるとなれば、総評であろうが連合であろうが統一行動が打ち抜かれてきました。この歴史的な実績があります。
1990年代に労働法制の大きな改悪があったときも、連合を含め、労働団体が競争して最後の最後まで粘って闘い抜き、部分的に改悪を許してしまうことがあったにせよ、基本的には相手を一歩後退させている。
ですから、動労千葉がそういう立場に立って、労働法制改悪反対の大きな闘いを全国に呼びかけるという姿勢を明確にすべきではないかと思います。
普通なら最高裁決定が出たらそれで終わりです。さらに闘い続けていることは日本の労働運動では初めてではないか。
そのことも多くの労働者に知らせながら、労働法制の危機に対して黙っているわけにはいかない、労働運動の広範な統一戦線をつくるために、動労千葉が呼びかけるという姿勢でやってもらいたい。


労働法の体系を崩すことは、改憲の非常に重要な一歩 

伊藤 晃(日本近代史研究者)

労働契約法というのはある意味でバイパスです。それがいつの間にか本通りになっている。戦後の本通りは労基法、労働法体系なわけです。ところが本通り(契約法)というのはよく見ると昔の本通りなんだね。工場法以前というやつ。
「憲法を基礎とした体系をなして成立している労働法を根底から揺さぶる」との指摘が紹介されていましたが、逆のこともいえる。今の憲法の体制は、労働運動 が支えてきたところがある。労働法の体系は、憲法の構造をつくり上げる大きな要因である。その労働法の体系を崩すことは、改憲の非常に重要な一歩になるこ とをわれわれは認識する必要があるんじゃないか。
日本の資本が打ち出している問題、大きな歴史性をよくつかんでいくことかと思います。これをど う広い運動にしていくか。就業規則問題のような事例はそこら中に出ている。各地の運動も必ずぶつかっていると思います。まずは問題提起することを全国運動 の夏の目標にすることではないでしょうか。
その中で署名の働きかけができると思う。それは労働問題だけではなくて自治体の問題もそう思う。熊本の震災も戦争のきな臭い問題があります。もう一方で、避難している人がどんどん亡くなっています。いかに日本の自治体が崩れているか。
いろんな場所、分野で問題は現れてきている。その一つひとつについて問題を提起することが必要ではあるまいか。あらゆるところで自分たちが努力して一つでも問題提起ができれば、運動が広がる上で非常にプラスになると思います。


労働契約法に乗っていったら労働者はバラバラにされてしまう

花輪不二男(世田谷地区労同組合協議会顧問)

鈴コンの闘いの中で、労働契約法を軸にして敵が狙ってくることに対して、労働三権の問題を立てないと闘えないという認識がありました。そういう意味では 「個別契約」ということに対して、団結権・団体交渉権・争議権を前面に押し出して闘う中で会社を叩いていかないといけないと思っていました。
労働契約法に乗っていったら労働者はバラバラにされてしまう。団結権は否定される。そうなったら労働組合の役割はなくなっちゃう。労働契約法に狙いをつけて闘ってきたわけではないんですが、結果的にそういう闘いになった。
争議を前提にしながら、団結権で闘う以外にこれに対抗する手段はない。憲法で認められた労働三権が骨抜きになることは許せない。


時間単位だけ働くという考え方に根本的に転換

長谷武志(全金本山労働組合)

一昨年暮れから正規と非正規の差別を全部やめろと労働条件を調べて要求したんです。会社は、親会社の就業規則・労働条件と子会社と比べてみて本山の方が高いからその高い部分を下げるということをやってきた。
「親会社はこの程度、本山はまだ良い。こっちを下げる」という細かい話がいっぱい出てきた。それを第二組合が全部のんで就業規則を改定した。反対意見を言っても意見は聞きましたで通用する、と。
10時と15時の休憩時間は就業規則にはないから休憩は昼休みだけだと言う。ここにはらまれている階級的本質を訴える絶好のチャンスだと鈴木委員長がストライキに起って会社の構内で大騒ぎした。「休憩時間も労働の一部なんだ」って。
会社は、その時間単位だけ働くという考え方に根本的に転換し始めている。ここのところを全面展開することによって労働者の階級的な正義性・階級性を獲得するチャンス。
われわれが踏み込んで労働運動の側の転換を勝ちとるチャンス。動労千葉が切り開いている問題は、労働運動の地図を塗り替える内容を本質的にもっている。いままで一般論でとらえていた敵の本気さについてしっかりと見据えないとぶっ飛ばされるという気がします。


資本は労働者に生きていける賃金を支払う義務がある鎌倉孝夫(埼玉大学名誉教授)

「労働基準法はいらない。民法でいい」は、資本論を研究している立場で言えば、資本論で言うと労働力商品化の無理が現れていると思う。
民法はモノとモノの契約関係です。労働者が売っているものは労働力だけど労働力は人間と離れていない。人間なんです。 人間労働力を売る、それを買った者の権利だから自由に使える、どう使おうと自由だと。
人間の能力を売ることは人間の能力は消耗するわけだから生活する時間が絶対に保障されなければ人間は生きられない。だから労働力を買った者の勝手な権利を主張したら死んでしまう。買った者の自由な権利に対して「われわれは人間だ。生きる権利を持っている」と。労働力を再生産させる時間を保障しなければ労働力の再生産はできませんよ。
いま決定的に問われているのは、労働力商品化の無理がここまできたこと。「労働を売る」こと自体が本当は間違い。労働じゃなく労働力を売っている。雇用契約を結んだら資本は労働者に生きていける賃金を支払う義務がある。
ところが「労働を売った」という現象をみているだけの話。10時間働いたから10時間の賃金。これだけ労働して成果が上がったからこの成果に対する賃金。全部資本が決める。
賃金の基本をもう一回再確認しなければならない。労働力商品を売っている。賃金の基本は生きる保障だ。そこが欠けると同一労働同一賃金になる。労働に対して賃金を払っているとなれば労働以外の賃金はいらないとなる。そうすれば年功序列や通勤手当など、労働に基づかない賃金を全部排除する。
非正規労働者は、その労働に基づく賃金で飯は食えない。人間を使うんだから絶対に資本の自由にできない、させてはならない。その辺の関係を『資本論』を勉強しながらこういう認識を生かしていくべきではないかと感じています。


署名運動の位置

 葉山岳夫(弁護士)

国鉄分割・民営化に対する闘争は、新自由主義に対抗する歴史的闘いであり、本質をとことん追及しなければならない。
新自由主義攻撃の中で労働者の団結が壊されている。労働契約の次元に貶められていく問題をどうはね返すのか。韓国でも労働法制改悪に対してゼネストで立ち向かい、フランスでも高校生まで立ち上がっている。外国でできることが日本でできないはずがない。
そういう意味で「JRに法的責任あり」という形で解雇を撤回し、原職に復帰させろという本質をついた運動になりうると思っています。
その中で第二の分割・民営化というCTSに対する就業規則問題を粉砕する糸口をつかむことができると思います。
弁護士もそうだけど生きること自体が困難になっている。労働力の再生産も危うくする状況にたたき込まれている。それをどこで粉砕していくか。労働運動の復権の中で、動労千葉、動労水戸を軸として運動が展開されている。今回の署名運動はそこで位置づけられるんじゃないかなと思っています。

 

10.2交流会のお知らせ

国鉄集会ビラ10.2-1

10・2交流会のお知らせ

「労働者は使い捨ての部品じゃない! 生きていける賃金よこせ」

お話:
極悪・ブラック企業=JRとのたたかい 解雇撤回までたたかうぞ!

国鉄千葉動力車労働組合

日時: 10月2日(金) 19:00開始~(開場18:30)
場所: ばるーん 304号室(港区生涯学習センター)

主催:東京中部ユニオン/東京中部労組交流センター